* 健康食長寿食を求める、鯨の冒険 * (含)抗ガン 抗加齢学  < kujila-books ホームページへ >

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第 三 章
* 高橋晄正先生を読む の 1 * 



< 自然食は 安全か? >

* く じら の雑誌の中 * 





高橋晄正先生の コウ。ワードでは 晃が出る。
晄と晃は、意味は同じで、日偏の位置が違うのみ。
高橋コウ正先生。高橋こう正先生と併記するのは、
検索の為である。

世は まさに 自然食ブームであるが、ここに紹介した
高橋先生の本を読み、頭を冷やして貰いたい。
一見に値 ( あたい ) する内容である。
刊行は 1989 年。その後の新知識は、随時追加する。

また玄米食に関しては、玄米食問題の深堀りに、
牛乳に関しては、牛乳問題の深堀りに、
自然塩は、自然塩の深堀りに記した。



*      *      *



< 自然食を 概観する。>


都市に住む人が 自然食 を求めると、それを可能にする為に、莫大なる
消費 ( 資源 ) が必要になる。

また自然食は、人間だけの物ではない。 検査すると、カビ、ダニ、細菌から
クモまで発見される。

自然食は彼らにも、食物なのだ。



  *       *       *



人類は長いこと、食物由来の奇病に苦しんで来た。 その奇病が、栄養成分の
不足だと判ったのは、極々 ( ごくごく ) 最近である。

AC 100 年ころ、ローマの子供に、骨の曲がる奇病が多発した。 当時の医者
は、冷たい石に座り、腰を冷やしたからだ ・・・ と説明した。

現代から言えば、単なる、ビタミンとミネラルの不足に過ぎない。



ヘロドトスの史書に、ペルシャ人の頭蓋骨は、もろい ・・・ とある。 その
原因は、ターバンで太陽光を、受けないからだ。  と言う。

ペルシャ人の頭蓋骨が、もろかったか、どうか? 判断の基準が判らないが、今
の時点から見れば、これも単に、栄養素の不足である。



日本、840 年頃の 日本後記 に、脚気の記述がある。 脚気では、明治 15
年 ( 1882 )。 創設間無しの日本海軍が、ブラジルへ遠洋航海をした。

発病者が続出して、死者まで出た。 海軍々医総監 高木兼寛 は原因を、食原性
と認めた。


翌年、食事を洋式にした。 発病者、激減。 しかし高木の考察は、間違ってい
た。 高木は、乗務員の食事を調査して、

チッソと炭素の構成比が、1 対 16 以下に成れば、脚気が起こると考えた。
タンパクの不足が原因と、考えたのだ。



今日から見れば、珍奇な説であるが、脚気は減った。 日露戦争の旅順要塞攻城戦
では、日本軍将兵の 1 / 4 が、脚気で動けなかった。

食事が白米ではなく、玄米か、麦飯だったらと、悔やまれる。


もっともロシア側も、駄目だった。 ビタミン B - 1 不足に依る、壊血病の
多発で、降伏した。

満州大豆が、大量に有ったのだから、モヤシにしてれば、解決出来たのに。



  *       *       *



1890 年、オランダのエイクマンが、ニワトリに白米で、脚気を作った。
六年後、米糟 ( こめかす ) に、予防効果の有る事を、発見した。

壊血病の方は、1907 年、アメリカのスミスが、野菜を与えないモルモット
の皮下出血死で、解明の糸口が、つかめた。

壊血病は、ビタミン C の不足である。



  *       *       *



脚気であるが、明治期に、食養論で、一世を風靡した 石塚左玄 は、カリウムと
ナトリウムの平衡論から説明した。 科学的に、これは ハズレ である。

脚気の原因が、ビタミン B - 1 の不足と判明したのは、左玄の死の翌年、明治
43 年、1910 年である。



海軍は、タンパク質の不足が、脚気の原因だと思ったが、陸軍と刑務所は、麦飯
で脚気を、解決した。

長い、長い道のりだった。 何万、何十万と言う人々が、脚気で死んで行った。
原因は、精神論から細菌の感染論まであり、かまびすしかった。

その間に、犠牲になられた方々の、ご冥福を祈る。



< 有機農法は、そんなに良いものか? >


有機農法には、統一的な農法が無い。 個々人の考え方や、地域の特性に依存し
た、技能的なレベルに、留 ( とど ) まっている。

理論的根拠となる研究は、皆無である。



有機農業とは、耕地への、有機物の施肥である。 しかし、これ、効率が悪い。
農村の労働力が、都市に吸引される時代。 三ちゃん農業の時代。

多くの労働を必要とする割に、効率の良くない有機農業の衰退は、必然と言える。
簡便で、収量が目に見えて増える、化学肥料の世界とは成る。



  *       *       *



作物の収穫とは、耕作地から、ある元素を奪う作業であるから、化学肥料を多用し
てると、土壌中の必須成分の、アンバランスな減少が、招来される。

不用な塩類の過剰と、特定成分の、相対的不足と成る。 必須成分のアンバラン
スは、作物の不安定性を招くから、病害虫に突け入られる。


ここで、農薬の大量使用が、避けられなく成る。 すると良心的な農家から、
化学農法への疑問が提起され、有機農業への回帰が、起こる。

有機農法と、近代化学農法と、農薬の適正使用の調和ある姿が、求められる。



  *       *       *



有機物農業にも、農薬の使用は必要である。 驚いた事に、栄養学的に見ると、
有機農業と、化学肥料農業の収穫物の栄養差は、意外と小さい。

これは、植物の強さであろう。 有機農場は、冷害に強い ・・・ の、イメー
ジも有るが、データは無い。



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< 有機農業の、意外な弱点。>


有機物も与え過ぎると、土壌の悪化。 作物の生理障害を、招来する。
堆肥や、厩肥 ( きゅうひ ) は、カリウムが多い。 チッ素、カルシューム、

マグネシューム、リン酸も増加して、土壌の物理性、生物性は改善されるが、
与え過ぎると、カリウム ( K ) の蓄積が著明となり、



カルシューム ( Ca ) マグネシューム ( Mg ) が、相対的に減少する。
作物は、カリウム ( K ) の吸収が大である。

この為に Ca と Mg が、吸収されない。 牧草の場合、この ミネラルバランスの
崩れた飼料の牛は、血中の Mg 濃度の低下に依る、牧草ティタニー症で死ぬ。



  *       *       *



また、堆肥、厩肥 ( きゅうひ ) では、土壌微生物が活性化する為に、硝酸塩
が、大量に造られる。

植物の体内も、吸収された硝酸塩で、一杯となる。 きゅう肥の多い牧草地では、
牧草の硝酸塩が過多の為。 それを食べた牛は、硝酸中毒で死ぬ。

牛の胃内は、微生物工場である。 その微生物が硝酸を、亜硝酸に変える。
それが牛を殺す。




(  以下は重要である。 )



べビィーフードの粉末野菜を、空気に晒 ( さら ) すと、空気中の微生物が、
野菜に含まれた硝酸を、亜硝酸に変える。

亜硝酸は、血中の赤血球と結合して、酸素との結合を阻害する。 この為に赤ち
ゃんの内呼吸は停止し、赤ちゃんは死ぬ。



べビィーフード用の野菜を、有機農業で作るのも、程度もの、なのである。 ま
た、開封した粉末野菜は、速 ( すみ ) やかに消費しなければ、ならぬ。



内呼吸とは何か? 我らが息を吸いて肺を満し、酸素を摂りて二酸化炭素を
排出するのは、外呼吸である。

肺にて酸素と結合した赤血球が、全身の細胞を巡りて、二酸化炭素と交換に、
酸素を渡して来るのが、内呼吸である。



  *       *       *



堆肥も、ほどほどに ・・・・  植物の葉緑素は、マグネシューム ( Mg )
が、重要成分である。

堆肥も多すぎると、この Mg の吸収が低下して、光合成も低下する。 当然、
収穫量も不調と成る。


多施肥は、土中の硝酸塩を増加させる。 ホウレン草と春菊の場合、含有する
硝酸塩が、土中の硝酸塩と比例するから、

施肥も、ほどほどにして貰わないと、消費者が迷惑する。 微生物に依りて
亜硝酸塩が作られると、健康に有害な農作物とは、なる。



  *       *       *



こう見て来ると、有機農業も、程度ものだにャ 〜〜  と、思える。

我らの身体には、生体防御機構なるものが、備わっていて、試験管の中の現象を
そのまま、当てはめれない  ・・・・  とは言うものの、

有害物を摂取して、良い筈が無い。 用心しよう。



さて、その生体防御機構であるが、

    唾液は、発ガン物質の 3,4 - ベンツピレン を一部、分解する。
    腸壁では、ホルムアルデヒドとタンパクを結合させて、不溶体を作る。
    肝臓では、各種の酵素が、血中に吸収の有害物を、無毒化する。

だから、試験管の中での分析化学を、”はずだ”理論で、丸ごとつなぐ 事は
出来ない。



最後に高橋先生は、世に言う、自然に帰ろう  ・・・  にも、その自然は
何処に在る ?

と、皮肉られている。



  *       *       *



この段では、総論を紹介した。 次段は、各論である。
玄米と牛乳と自然塩は、それぞれの場所で、紹介してる事、既に書いた。

魚の干物、胃ガンの元。 ワラビ、発ガン物質。 ニンニクで、溶血性貧血。
三温糖の茶色、加熱濃縮時のこげめ、すなわち、カラメル。


カラメルは、細菌の変異毒性とは、発ガン物質ってえ事。 三温糖の茶色には、
まだまだ、もっともっと、こわ 〜〜〜 いものが、含まれる。

ってえ言う様な話題が、出て来る。 ワシ、高橋先生の、この本を読んでから
患者に、黒砂糖、勧めなく成った。

いけない物だった筈の精白糖が、一番安全じゃないか? ってえ、心境なんだ。



では、次段にて  ・・・・・




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