* 健康食長寿食を求める、鯨の冒険 * (含)抗ガン 抗加齢学  < kujila-books ホームページへ >

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* 浅井敏雄先生の説を批判する 3/6 * 


< 玄米食は、安全か? のつづき >

* く じらの雑誌の中 * 





前半は <フィチン酸> について、
さらに一歩、考察し、

後半は浅井敏雄先生の、
玄米食に関する、その他の説に
検証を加える。

深堀り、玄米食の安全性 の入り口は、
この段の末尾と、
ここ です。


*      *      *



   ( この項は、加筆、訂正の余地の有る事を、予告しときます。)



< フィチン酸は、そんなに有害か? >


浅井先生の説では、<フィチン酸> は、寿命を縮める悪役ですが、調べて見
ると、そうでもない。

研究者の発言に、<フィチン酸> が、体内のミネラルを持ち出すと言う、浅
井先生の説を支持するものが、見当たらんのです。

前段の考察でも、ワシは批判的でした。 素人のたわごと、に近いのでは?
とまで、言いたいです。



(ウイギペギア)の <フィチン酸> の項を見てみましょう。


   *       *       *


< フィチン酸について >


* 種子など、多くの植物組織に有る、リン酸の貯蔵形態である。
  キレート作用が強く、金属イオンと結合する。

* 人間は <フィチン酸> を消化する酵素(フィターゼ)を持たないので、
  吸収され難い。



  *******************************************************************



( 皆さん、読みましたか。 人間は <フィチン酸> を消化しないし、吸収
  もしないのです。 体内に這入らないのに、何でミネラルを持ち出すんで

  すか? どうやって持ち出すんですか? 腸管を通過するだけですよ。)



( 追加ですが、ブタ君も人間と同じく、フィチン酸の消化酵素を持たないの
  で、大豆やトウモロコシを与えても、便と一緒に、排泄されるだけです。

  するとね、フィチン酸はリン(燐)ですから、環境が富栄養化しちまう
  んですって。 難しいですね。 えさに酵素を添加して防ぐそうです。


  牛みたいに、反芻胃(はんすうい)の連中は、胃内の微生物がフィチン酸
  の消化酵素を産生するんで、吸収可能だそうです。 なるほどね。  )



  *******************************************************************



* <フィチン酸> の強いキレート作用は、鉄や亜鉛を捉えてしまうので、
  腸管内の酸化を防ぐ。

  ここに着目して、大腸ガンが予防されるのでは? と考える研究者も
  居る、そうです。



* 以前は、<フィチン酸> の、ミネラルとの強い結合から、消化吸収の
  妨げになる・・・・と考えられて来たが、

  現在の研究では、ミネラルの吸収に、問題は無い。 と、されている。



( 前段の末尾の文の、根拠です。 )



* 1960年代、大腸ガンは、食物繊維が予防している・・・と考えられたが
  1985年頃の研究で、予防してるのは、食物繊維ではなく、フィチン酸で

  ある事が判った。



* その後、<フィチン酸> の単独投与で、ガンの抑制作用が観察された。



  *******************************************************************



( こうなると <フィチン酸> は、悪者どころか、ガンを予防してくれる
  正義の味方です。

  ただし用心が大切です。 研究が更に進んで、ひっくり返る事も有りま
  すから。 )



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* 前世紀の末に、京都で開催された <フィチン酸> などの米ぬか成分の
  国際シンポジウムで、<フィチン酸> の生理作用が、報告された。

  尿路結石や腎結石の予防。 歯垢(しこう)形成の抑制。 大腸ガン、
  乳ガン、肺ガン、皮膚ガンの予防に効果の、可能性。



  ( ここでも注意。 予防するとは、言っておらん。 過大に期待するな )



* 抗ガン作用、抗腫瘍作用、抗酸化作用を利用した、治療への応用への
  期待が、持たれる。


* <フィチン酸> の、サプリメント(まで)、出ている。



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( 諸君、見たか? <フィチン酸> のサプリメントだとよ。
  浅井先生は、<フィチン酸> で寿命が縮む。 と言われた。

  研究者の報告と、反対じゃんけ
  どっちを採用すれば良いんじゃい?



  かくしてワシは、個人的な見解ながら、浅井敏雄先生の <フィチン酸> に
  関する説を、



   素人の妄説(もうせつ)と申し上げる。



  この後の続く、<にがり> と <アク> に関する浅井先生の説に対して
  も、ワシは同じ感慨を抱いた。

  前もって申し上げておく。 )



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   浅井敏雄先生の玄米食に関する、その他のご主張。
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   玄米の <アク> の害については、<アク> の項で扱います。


○ 玄米の<フィチン酸> で、病気も治れば、ガンさえ治る?
     <フィチン酸> で、毒素も出るが、ミネラルも出る?

            毒素とミネラルは、同じ場所にあるから?


○ 体内では、毒素とミネラルは一体と成っているので、毒素が出る時は
  ミネラルも同時に出て行く?


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( <フィチン酸> は、吸収されない。 の一語で、勝負あり


  生化学の本にも、そんな説。 出てませんよ。

  浅井先生の説は、研究分析の結果ですか? それとも直感ですか?



  ワシ、イエス・キリストと会ったと主張される方を知ってますが、
  浅井先生も、その手の方ですか?

  毒素とミネラルが一体と主張される、その根拠を、お示し下さい。
  論文が、お有りでしたら、読ませて下さい。 )



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○ 玄米と自然塩は、<アク>を含むから、短期で止めろ?
            長く続けては、いけない?


( アク は、灰汁と書きます。 この <アク> については、次段で扱い
  ます。 )


○ 玄米食では、甘い物を食べないのに、虫歯に成る? <フィチン酸> で
  ミネラルが取られるから?



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( ワシは歯科医師ですが、玄米食で虫歯に成るなんて、聞いた事ありませ
  ん。 勉強不足なんでしょうか? それは、有り得るんですが ・・・

  歯科医師も言っていた、と有りますので、その歯科医師を、是非とも
  ご紹介下さい。 教えを伺いたく存じます。



  そもそも浅井先生は、虫歯の成因をご存知なんでしょうか?
  また、人間は <フィチン酸> の消化酵素を持たぬ為、吸収出来ない

  事。 上記の報告で明らかです。 <フィチン酸> の作用は、腸管内
  が大部分です。 それに、如何に強力な <フィチン酸> と言えども、


  これまで説明した如く、ミネラル( Ca など )を摘んで持ち出す事、
  出来ません。 また、そんなにも大それた働きが有るならば、なぜ研究

  者が見逃すんでしょう? それに、吸収される時は、もう <フィチン
  酸> の形では、ありませんよ。



  体内へ這入れもしない <フィチン酸> が、どうやってミネラルを持ち
  出すんですか? それも一緒に、教えて下さい。 )



  *       *       *



( こんな具合に、玄米の <フィチン酸> に的を絞って考察しましたが、
  どう考えても、浅井敏雄先生の説に、賛同出来ません。

  ワシの手元にある スミス等に依る <生化学> から <フィチン酸>
  に関する部分を、次に転記しますが、


  それと、浅井先生の説を比べて貰いたい。 浅い先生の説は、妄説に
  近いと判る。 )



( 浅井先生から反論が来れば、掲載します。 )



  ****************************************************************



< スミス等に依る、生化学 から
        フィチン酸 の部分を抜粋す。>




○ 基礎編の 81 ページから、


  ミオイノシトールは、炭素環状ヘキシトールの 9種の立方異性体の一つ
  で、シクリトールと呼ばれる一群の化合物に属する。

  ここで シクリトールとは、三個以上の環状炭素のすべてに、水酸基を持
  つ、シクロアルカンのことである。


  ミオイノシトールは最も重要な シクリトールで、微生物、高等植物、動
  物に広く分布している。

  植物では、その ヘキサリン酸エステルである <フィチン酸> や、フィ
  チン酸の 混合マグネシウム-カルシューム塩として存在する。



○ 哺乳類の生化学の 928 ページから、


  カルシューム ( Ca )の吸収は、ある種の穀物に存在する、高濃度の
  <フィチン酸> によって妨げられる。

  <フィチン酸> を加水分解する フィターゼ が、(人間の)回腸粘膜に
  わずかに存在する。



  この加水分解をまぬがれた <フィチン酸> を全部合わせると、未利用
  の カルシューム量に相当する。


( 上の記述では、カルシュームの吸収は不能になる。 なのに、そう成ら
   ない。 高橋先生の本には、二週間位すると、カルシュームは普通に
   吸収される。 と有る。

   この辺が、生きてる身体の、不可解な側面なんじゃな。 )



  これは 脂肪酸の場合と同様である。 胆汁閉塞、スプルー、又は限局性
  回腸炎による 脂肪便の場合、不溶性の カルシュームセッケンが形成さ

  れ、糞便中に排泄される。



  *******************************************************************



( 生化学は、極めて難解な学問です。 志望する学生に教授が、君のオ
  ツムでは無理だから、止めた方が良い。

  と、アドバイスするほど難しい。 上記の引用文でも、末尾はワシ、チン
  プンカンプンでした。


  いや、私は分ったよ。 と、おっしゃる方。 尊敬します。 )



( <フィチン酸> の動作は、ここまで解明されているのだ。 浅井先生
  の説と、比較して貰いたい。 解明のレベルが違うでしょ

  浅井先生の説を <ま> に受けてる方々は、ウエブの文を、早急に訂正
  すべきです。 )



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◎ 玄米の安全性について。 追加の記事は、こちらです。

  ⇒ ⇒
  < 深堀り、玄米食は安全か? >



  玄米食の安全性に関する事ならば、良い事も悪い事も、
  一切合財、ここに追加します。


  *******************************************************************



玄米には <フィチン酸> の他に、<アク> なる物も這入ってます。

浅井先生に依れば、この <アク> が、<フィチン酸> に負けない位の、
悪者。 なんだそうです。



<アク> は、玄米のみならず、野菜や果物、肉、魚にも有りますから、それ
も、次の段で、見ましょう。


<アク> は、そんな寿命を縮めるほどの、悪者なんでしょうか? 次段です。





*       *       *




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