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く じらの 雑誌 * 食い物 裏話 第四話

< 玄米食の すすめ >

玄米食について、
クレームが来ました。
第六話にて扱います。





<   粕(かす)の字を、よくよく見れば  >


かすの字。 こめ篇(へん)に白だ。 粕。 粕? 白いお米は、銀シャリ、
言いまして。

我らの主食ですがな。 あの真っ白の、すくすくした美味しいお米が、かす、
ですと?




上の粕の字に、いちゃもんが来ました。  (平成21年-2009年10月18日付)

粕とは、酒を絞った後の物を言う。 精米したお米ではない。 先生は
間違ってる

如何にも、その通りです。 謝罪します。 ですが、訂正はしません。
ワシ、時代を創ってる気分です。

百年後を見てくれ。 国語辞典に加筆されます。 粕の字。 以前は酒の
絞りかす。 く じら以来。



精米した、白いごはんも、粕(かす)と言う様に成った . . . と。




玄米を精米しますと、体積が一割、減じます。 米ぬか、言いましてな。
あれが、此れまでの、かす。 と違いますか?

昔は、あれを捨てていた。 豚のえさ。 牛のえさ。 猫に与えても、馬鹿に
して、食べません。 犬は、食べたり食べなかったりです。




ご指摘の如く、上の二行は問題が有ります。 と言うより間違っています。
米ぬかの使い道は、田んぼや畑に返す事です。 最良の肥料です。

捨てていたは、謝罪して削除しますが、それ以下は、与えても良いのですよ。
ドッグフードは加熱されて、死んだ食物だと、新谷先生が書かれています。

愛犬家の皆さん。 一度ためしに、玄米の柔らかく煮たものを、与えてみて
下さい。 豚君なんて、目の色を変えて食べますよ。



玄米食だと、我らがこれを食べるわけです。 残留農薬の問題。 米ぬかに
含まれるフィチン酸の問題などは、次の次の段にて、扱います。




鎌倉時代から戦国時代まで。 武士は戦場で、玄米めしに梅干一個。 それで、
あの働きをしました。

戦国時代の末期。 難波の大阪城。 淀君なる、別っ品さん。 日本で初めて
精米した、真っ白のごはんを食べた、そうです。


江戸時代。 将軍様のお膝元。 いきで、いなせが売り物の江戸っ子。 玄米み
たい野暮なもの。

殺されたって、口に入れますかいな。 お陰で、江戸の流行(はやり)やまいは、
脚気(かっけ)です。


 *       *       *


脚気。 ビタミン B-1 の不足ですから、ビタミン剤を投与してお仕舞い。
なのに、日露戦争の頃でも、原因が分らない。

ドイツ帰りで軍医総監だった、森鴎外。 脚気の栄養起源説に反対。 精神論
まで出て、物議を醸(かも)しました。


旅順要塞の攻城戦では、脚気のために、よろよろ走る日本兵を見たロシア兵。
彼らはお酒を飲んで、突撃してるのか?

疑ったそうです。 当時の日本兵は、白い日の丸弁当一本槍。 あれが玄米だっ
たら、戦国武将みたい、戦場を所狭しと駆け回れたのに。



なまじ、銀シャリを、有り難がったばかりに、つまらん戦病死者の山を築きま
した。

鴎外の責任は、軽くありません。 これを書いた本を、後に紹介します。


 *       *       *


脚気を、今の若い人、知りません。 医学生でさえ、知りません。
ましてや歯学生。 関心、全くありません。

肺病さえ判らんのですから、脚気なんて、知りますかいな!



脚気は、栄養の欠乏症。 ビタミン剤で、スパッと治ります。

あのドイツ軍。 パンは全粒粉の黒パンでした。 精白した白パンですと、
副食に乏しい戦場では、ビタミンとミネラルの欠乏に、悩まされます。

ドイツ軍は、黒パンに水だけで、あれだけの働きをしました。 黒パンや
玄米の威力を、再確認、いたしましょう。


 *       *       *


< 玄米は、不味いのが欠点。 >


玄米は本当、ぼそぼそして、美味くない。 カスを喰ってる感じです。
ワシなんぞも、このかすが栄養のかたまり、なんだ!

このかすにこそ、ミネラルが充満してるんだ! と、自分を励ましつつ、
励ましつつ、喰ってます。 読んでて涙が出て来ませんか?


玄米を試(ため)される方に、アドバイスをひとつ。 水の分量を、炊飯器の
目盛りにしますと、ごわごわ、ボソボソで、

噛むのに、苦労します。 ワシは工夫して、三合の玄米に、四合分の水で炊きま
す。


水が多過ぎて、おじや、みたいでは、美味くないので、水を加減します。 自分の
好みに、ピッタシのやわらかさを、求めます。

こんな具合に、玄米! 玄米! とワシが騒ぐので、仕方なく試された方で、お続
けの方。 皆無なんすよ。


不味い。 食感が悪い。 お父さんに、こんな物、止めろと、文句言われた。 な
どです。

仕方が無いんで、ワシ一人、依怙地になって玄米、喰ってます。 こうなると本当、
意地ですよ。 く じらのへそ曲がり。 言いましてな。


 *       *       *


解剖学者、東京芸術大教授。 三木成夫(しげお)先生の本。 <胎児の世界>
は、岩波新書です。

奥さんが娘を出産。 母乳の出が良くなる。 ってんで、ある日から突然、玄米
ごはん。 その体験談を載せておられます。 その部分を引用します。

ただし、原文のままでは、ありません。 少し省略しました。


 *       *       *


三年前、わが家の主食が、何の前触れも無く、突如(とっきょ)として、白米か
ら玄米に切り替わった。

忘れもしない、ある夕餉の出来事だ。 (お乳の出が、良くなるから...)と薦め
られたのだと言う。


その時の私は、目の前の玄米よりも、お腹の生命に対する、そうした母性本能の
方に、気を取られていた。

なるほど、それも良かろう。 と言った感じで、生まれて初めての玄米を口に
したのだが、第一印象、



ああ、こう言う味もあったわけか....



要するに、うまくも、まずくもない。 拍子抜けの気持ちだったのを、はっきり
と、おぼえている。

ところが、これを契機として、わが家の食の形態が、一変するのである。 まず、
牛肉の味が、みじめに半減する。


豚肉を食べると、オデキが出来る。 鶏肉は、どうでもいい。 魚はまあ、なん
とか、と言った感じ。

イカ、タコ、エビ、カニの類(たぐい)は、まあまあか。 これに対して、納豆、
豆腐、味噌汁といった大豆の味が、にわかに見直されてくる。


ただのゴマが、命の綱に見え、ワラビやワカメには、後光が射してくる。 要す
るに、副食の嗜好が、変わってしまったのである。

牛肉の大きい小さいに一喜一憂する姿は、自然になくなる。 かわりに、ワラビ
のアク抜きの灰をもとめて、物置の床に、這いつくばる姿が出てくる。


まったく想像もしなかった事だが、こうして、いつしか。、食卓の周囲も、都会
風から、田舎風に、そのまなざしも、肉食獣から草食獣のそれに、

変わってしまう・・・・・


 *       *       *


詳しく識りたい方は、三木成夫著 * 胎児の世界 * 岩波新書  で、どうぞ。
この、く じら文庫でも、紹介の予定です。

ちょっと、いちゃもん、ですが。 三木先生の上記の文中、ワラビを賛美した箇
所には、反論があります。



出典を出せませんが、ワラビの多食は、良くないと言う文章を、どこかで見た
記憶が、あります。

ワラビには、発ガン性が有るそうです。 よく湯がいて、アクを充分に抜き、
多食は避けるのが、宜しかろうと、ワシは書きます。

これに関して、何かの文に行き会いますれば、紹介します。 ワシの書いた物
が、間違っておれば、謝罪して訂正します。


でも、ワラビやゼンマイを見てますと、あれは、やっぱ、季節を感ずる、嗜好
食品に、分類したいですよ。

それに最近、ワラビ、ゼンマイが、食品添加物で美味しくして、販売されてます。
キュウリも、おなすも、食品添加物です。


 *       *       *


さらには、エビ.イカ.タコですが、蛋白の組成が、違うんだそうです。 だから
ボクは食べない。

と、おっしゃった医者(慶応の医学部卒)が居られました。 誰を隠そう、北里
研究病院の所長をされてます、土本寛二先生。 その方です。



四十年前でした。 その後、この説は変更されたか? そのままか? 将来、確
認します。 その上で必要が有れば、書き直します。

ちなみに、先生とワシ。 中学時代の同級生です。 当書店の本、< 鉄工所32
年間の想ひ出 > にも書いときました。




次の段で紹介する新谷弘実先生は、タコなんかを、素晴しい食品と書いて居られ
ます。

文中、大抵の医者は良くないと言ってるが、と、但し書きまで付けておられます。
どっちを採用すべきなんでしょうか?


ワシは、長生きしたくないんで、食べてます。 早死にする積りでタコ食べて、
長生きしたりして・・・。  ヒッヒッヒッ・・・ですな


 *       *       *


この食品は食べるな。 あれも食べるな。 なんて書いてある本を見てますと、
気が変になります。

く じら書店では、この分野のコーナーまで作りましたが、斜め読みした方が、身
の為です。



世の中には、いか.たこ.えび. を、山ほど食べながら、天寿を全うされた方が、
五万と居られますから、あんまし、気にせずに行きましょう。



でも、食品添加物の探求は、必要です。 今のお子さんは
食品添加物の味で、成長してますからね

添加物の味が、お袋の味だなんて。 まことに、ゆゆしき、一大事です。
これも、別項で扱います。


 *       *       *


玄米を食べてますと、確かに、お肉への嗜好が減衰します。 植物食へ、植物食
へと、自然に移行します。

玄米ごはんに、ビフテキは、合いません。 食べても、そんなに沢山は、身体が
求めなくなります。


ひょっとしたら、玄米食は老年期に、最適かも知れません。 若い人は、物足り
ないでしょう。

若くて活動的な期間は、白米食で、副食に気を付ける。 老年期に入りて、あら
ゆるものの衰えを、実感したならば、玄米食を考える。



あの、カスの中にこそ、ビタミンとミネラルと、生命の躍動のエキスが、這入っ
てるんだ

と言うことを、お忘れなく。


 *       *       *


次の段では、新谷弘実先生の本、( 病気にならない生きかた ) から。

玄米食の部分を、引用します。


( 第四話 つづく )




*      *      *




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